ホテルが導入すべきポイントカードのメリットと種類|導入時のポイントや注意点も紹介

ホテルが導入すべきポイントカードのメリットと種類|
導入時のポイントや注意点も紹介

ホテルでの集客におすすめなのが、ポイントカードの活用です。
本記事では、ホテルでポイントカードを導入するメリットとその要点について解説します。
さらなる宿泊客獲得のため、ぜひ参考にしてみてください。

ホテルでポイントカードを導入するメリット

ホテルでポイントカードを導入するメリットを三つご紹介します。

集客力の強化

ポイントカードはホテルの集客力を高めます。
同等の質や価格のホテルが複数候補に挙がった場合、普段から使用しているサービスのポイントを貯められるホテルがあれば、そのホテルを選びますよね。
ポイントが貯められるという一点で競合他社を退け、新規顧客を獲得できる可能性を秘めています。
とりわけポイ活に励んでいたり、料金を重視したりする客層には響きやすい強みになるでしょう。
ポイントカードは競合他社との差別化を図る手段の一つです。

リピーターの獲得

リピーターの獲得につながるのも、ポイントカードの魅力と言えるでしょう。
会員限定のキャンペーンを開催したり、繰り返しの宿泊で会員のランクが上がる仕組みを設けたり、次の宿泊に結びつく施策を打ち出しやすくなります。
これらがゲストにもたらすロイヤリティの高まりは、宿泊客の定着にも貢献します。
収益の安定化を考えるうえでは、大切な要素になりそうですね。

顧客情報の取得

ゲストにポイントカードを作成してもらう過程で得られる顧客情報も、ホテルの資産として蓄積されます。
宿泊人数や使用した宿泊プランなど、ゲストの購買行動を細やかに追えるため、マーケティングの確かな根拠となるでしょう。
ただし、ゲストの名前・年齢・性別などの個人情報は、管理を怠るとトラブルに直結します。
セキュリティ意識を常に持ち、慎重に取り扱ってください。

ホテルでポイントカードを導入するデメリット

次にホテルでポイントカードを導入するデメリットを二つ解説します。

運用コストがかかる

当然ながら、ポイントカードの導入には新たなコストが発生します。
手押しスタンプを使うようなアナログの方式であれば、低コストで即時導入できそうですが、ゲストにとって利便性が高いとは言えません。
オンラインシステムでのポイント付与が普及している昨今、わざわざポイントカードを持ち運ぶことに煩わしさを感じるゲストも多いでしょう。
かといって、オンラインシステムに対応するには、初期費用や運用費用を捻出する必要があります。
収支のバランスを考慮して、経営への負担が過剰にならない方法を選びましょう。

ポイント発行の負債を抱える

ポイントの発行は新規顧客やリピーターの獲得によって収益増加を期待できる反面、ポイントが負債になる可能性も帯びています。
ゲストがポイントで通常より安く宿泊した場合、使用されたポイントの分だけホテルの収益が減少するからです。
ポイントの還元率が高いほどゲストは得をしますが、過度なポイント付与が続けば、ホテル経営が圧迫されるでしょう。
サービスの利用に対して、どれくらいポイントを還元するのかの見極めが重要です。
ゲストがお得を十分に感じられて、ホテルも潤う最適解を見つけてください。

ホテルで導入できるポイントカードの種類

ホテルで導入できるポイントカードの種類

ホテルで導入できるポイントカードを三種類ご紹介します。
どのポイントカードなら導入できそうか、ホテルの状況に照らしながらご覧ください。

自社独自のポイントカード

真っ先に導入を目指せるのが、自社独自のポイントカードです。
ポイント内容の検討から提供開始までホテルの裁量で進められるため、迅速にサービスを始められるでしょう。
ホテル独自の特典や会員ランクを設けられるうえに、顧客情報がホテルにそのまま蓄積されることも利点です。
サービスに独自性が生まれ、顧客分析もはかどれば、ほかに頼らない集客力が身につくでしょう。
すでに多くの顧客を抱えている場合は、より早くその効果を実感できるはずです。 一方で、これから顧客を獲得していくという場合は、長期的な目線での取り組みが求められるかもしれません。
ほかのポイントカードの導入を検討するか、先にホテル自体の周知へ注力した方がよい、というケースも考えられます。

独立ホテル共通ポイントカード(Aカード)

ホテル業界でポイントカードを導入するなら、独立ホテル共通ポイントカード(Aカード)は一度検討してみてください。
特筆すべきは、ホテルのフロントで現金をキャッシュバックするポイント制度。
全国47都道府県にある500以上の施設でポイントを貯められ、そのポイントを加盟ホテルのフロントで現金化できます。
まとまったポイントを現金化するほど還元率が上がる方式が採用されており、リピートの促進に適しています。
ゲストにお得を感じてもらいやすい一方で、ポイントを貯める用途が限られるため、ゲストによっては不便を感じるかもしれません。
とはいえ最終的に現金がゲストの手元に返ってくるので、ホテル用のポイント機能でありながら貯めたものがどこでも使えます。
加盟料は無料で、さらに費用のかからない宿泊予約システムも提供しており、チェーン展開していないホテルでも導入しやすいのが魅力です。

共通ポイントカード

共通ポイントカードは、誰でも一度は使用したことがあるでしょう。
dポイント・Vポイント・Pontaポイントなど、それぞれに多業種の提携企業を抱えるサービスのことを総じて共通ポイントカードと呼びます。
強みはやはり知名度の高さと会員数の多さ、そのポイントが貯まるという理由だけで顧客獲得のチャンスが生まれます。
それぞれの会員の数だけ訴求機会があると考えると、先述した二つのポイントカードと比べても、スケールが頭一つ抜けていますよね。
加盟店となれば、ポイントのサービスサイトにもホテルの名前が掲載されるので、知名度アップの効果も期待できるでしょう。
提携企業が多いため、ホテル周辺のお店が同じポイントサービスの加盟店である可能性もあります。
共通ポイントカード導入の際に併せて確認し、双方にメリットがあれば、相互送客や合同のキャンペーンも積極的に実施しましょう。

ホテルでポイントカードを導入するときのポイント

ホテルでポイントカードを導入するときのポイント

ホテルでポイントカードを導入するときに重要な点を四つ解説します。

導入目的を明確にする

煩雑にポイントカードを導入するのではなく、導入目的を明確にするところから始めましょう。
「すでに獲得しているゲストの宿泊頻度を上げたい」「ホテルの知名度を上げて、顧客の新規獲得を狙いたい」など目的はホテルによってさまざまでしょう。
前者なら自社独自のポイントカード、後者なら共通ポイントカードが筆頭候補になりそうですよね。
抱えている課題や掲げる目標によって、選択すべきポイントカードの種類が変わります。
現在メインとなっている客層やターゲットのニーズにそぐわないポイントカードを導入しても、費用が膨らむばかりで、収益の増加は見込めません。
焦らずに立ち止まり、ホテルの現状把握から取りかかりましょう。

ポイントカードのルールや特典の設定

導入するポイントカードの形式が決まったら、ルールや特典の設定をします。
利用料金の何%をポイントとして還元するのか、どれだけポイントが貯まったら会員ランクを上げるのか、などを具体的に決めていきましょう。
バーやレストランなどの付帯施設がある場合は、それらの利用を促すような特典や割引を設けることで、宿泊客単価の向上が狙えるかもしれません。
ただ特典の用意にも費用を割かなければならない点を忘れてはいけません。
無計画に準備を進めてしまうと、無駄が大きくなり、途中で資金不足に陥る可能性もあります。
行き当たりばったりではなく、予算を明確にしたうえで、適切に資金を投じましょう。

業務フローの整備とスタッフへの周知

ポイントカードの導入に限らず、新しい業務が追加されて間もなくはスタッフの負担が増加します。
業務フローの整備とスタッフへの周知が行き届いていないと、サービスの質の低下を招きかねません。
十分な期間を設けてスタッフ全員に事前告知をしたうえで、ゲストへの案内がスムーズにできるように体制を整えましょう。

システムの導入や連携

アナログの方式を採用する場合を除いて必要になるのが、システムの導入と連携です。
サービスを提供している企業ごとにポイントシステムの個性は異なるため、一つに決め打ちはせず、複数の企業へ相談しましょう。
導入の目的や抱えている課題などを伝え、複数の見積もりから、希望と予算に合うものを選んでください。
ヒアリングを受ける段階で、申し込みをしてから利用開始までに要する日数も確認し、正確な導入開始のスケジュールを把握するのも大切です。
契約する企業が決まったら、担当者と打ち合わせを重ねて、機能の取捨選択をしましょう。
必要な部分には十分な費用を投じ、不要な部分は削って、ホテルに最適化されたシステムへ仕上げてください。
忘れてはいけないのが、ポイントカードの運用開始までに、完成したシステムを既存のデータと連携させなければならない点です。
導入当日になってトラブルが発生しないよう、新たな体制のシステムを確実に構築しましょう。
またシステム構築の段階でほかのシステムと連携させる場合は、別途料金が発生するケースもあるので、事前に契約企業とすり合わせを行ってください。

ポイントカードは利用促進だけでなく、顧客データの取得や分析にも有効!

ポイントカードは利用促進だけでなく、顧客データの取得や分析にも有効!

今回は、ホテルでポイントカードを導入するメリットとその要点について解説しました。 導入を成功させるには、目的を明確にし、それを達成するためのシステムを構築するのが肝心です。
経費を最適化するためにも、複数の企業へ見積もりを依頼し、無駄のないオンリーワンなシステムの構築を目指しましょう。
導入後も日々蓄積される顧客情報の分析を続ければ、ホテルのマーケティングに活かせるヒントが見つかるかもしれません。
独自の特典や会員ランクで顧客のロイヤリティを高め、収益の最大化を目指してください。

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