グランピング経営は儲かる?開業の流れや初期費用、ポイントをまとめて紹介
グランピング経営は儲かる?
開業の流れや初期費用、ポイントをまとめて紹介

最近話題となっているグランピングは、ニーズが高いことから経営を始めてみたいと考えている方も多く見られます。グランピングの経営は、コロナ禍における人気の土地活用方法として注目を集めており、人気が高いです。
また昨今のキャンプブームによって、グランピングは手軽にアウトドア体験ができる事業として注目されており、急速に成長しています。そのため豊かな自然と広大な土地を保有している不動産オーナーにとっては、グランピング経営は安定した収入を得られる方法となるでしょう。
そこで本記事では、グランピング経営を開業する流れや初期費用などについて詳しく解説します。経営のポイントについても紹介しますので、ぜひチェックしてください。
グランピングとは?
グランピングとは、グラマラスとキャンプを組み合わせた造語であり、通常のキャンプよりも設備の整った施設で手軽にアウトドア体験ができる新しいタイプの宿泊スタイルです。グランピングは2015年ごろから普及し始め、キャンプよりも手軽に行いやすい点からキャンプ初心者から注目されています。
グランピングの主な魅力には、以下の4つがあります。
- 手軽に自然体験できる
- 設備が整っているので快適に過ごせる
- 非日常的な体験ができる
- さまざまなアクティビティを体験できる
このようにグランピングには魅力的な点が多いですが、経営をするという視点からも解説します。グランピング経営は儲かるのか、グランピング経営は個人でもできるのかについて詳しく紹介します。
グランピング経営は儲かる?
グランピング経営を検討している方にとっては、実際儲かるのかどうかがもっとも気になるポイントでしょう。グランピング経営では一定の需要が見込めますので、近年ではグランピング経営に興味を示している方は多いです。
新型コロナウイルスの影響から人との接触が少ないグランピングの人気が高まっており、急成長を遂げています。そのためグランピング経営は収益性が高く、伸びしろもある市場なので儲かる可能性は十分にあるでしょう。
しかし、人気が高まるにつれて参入する企業も増えており、差別化が難しくなっています。また飲食業やアクティビティなどの分野においても運営する必要が高いため、経営は簡単ではありません。
そのためこれからグランピング経営を始めようとしている場合には、単に開業するだけでは十分な利益を得るのは難しいでしょう。他社との差別化を図るために、施設ごとの独自性を出したり立地を意識したりするなどの工夫が必要です。
グランピング経営は個人でもできる?
結論から申し上げますと、グランピング経営は個人で始めることは可能です。また個人でグランピング経営をする場合には、メリットもあります。
まず個人経営では、人件費が抑えられるメリットが挙げられます。個人で経営するため従業員の数も最小限に抑えられますので、人件費が浮いた分ほかのサービスに経費を使えるのです。
また客室が少ないため、管理しやすいメリットもあります。個人経営ならば、施設の規模もさほど大きくならないので比較的簡単に管理できます。
しかし、必要な保険への加入や会計管理などを個人で行う必要があります。グランピングは新しい分野の宿泊サービスなので、法制や税などの面で気をつけるべき点が多いです。そのため、専門の業者に依頼したり経理を雇ったりするなどの対策を行うことをおすすめします。
グランピング経営のメリット

グランピング経営のメリットには、以下の2つがあります。
- 開業にかかる初期費用を抑えやすい
- コストを抑えやすく高い利益率を期待できる
それぞれのメリットついて詳しく確認していきましょう。
開業にかかる初期費用を抑えやすい
グランピング経営では、開業にかかる初期費用を抑えやすいです。グランピング施設の建設には必要なスペースや建物が少ないため、費用が抑えられます。
グランピング施設には宿泊のためのコテージやテントが必須ですが、コテージやテントの建設費用は一般的なホテルよりも大幅に安いです。バーベキューや炊事で使うテラスのような部分は必要ですが、これらの施設などがあれば運営できますので、初期費用はかなり抑えられるでしょう。
コストを抑えやすく高い利益率を期待できる
グランピングでは初期費用やランニングコストが抑えられるため、黒字化のハードルが低いです。具体的には、グランピングはキャンプよりも高額な価格設定ができるため、導入費が安価な分利益が上がりやすいです。またリピート率も高いため、安定顧客の獲得が期待できます。
またグランピングでは、宿泊以外にも食事やアクティビティなどの収入源も獲得できますので、この点も大きなメリットです。
グランピング経営のデメリット

しかし、グランピング経営には以下の2つのデメリットがあります。
- 開業までに免許や許可の取得が必要
- 閑散期の対策が必要となる
それぞれのデメリットについて解説します。
開業までに免許や許可の取得が必要
グランピングの開業には免許や許可の取得が必要であり、免許取得に時間や費用がかかったり土地開発の許可が下りなかったりする可能性があります。グランピング経営では土地の開発許可を得るところから始まり、経営する地域の自治体に旅館業営業許可も申請する必要があります。
また提供するサービスによっては、飲食業許可や酒類販売業免許も必要です。このように土地開発の許可から施設運営の許可を取得するまでには数ヵ月はかかるので、計画的に準備しましょう。
そのためグランピング経営を始める場合には、開業する土地が決まった時点で自治体の窓口や保健所、不動産会社に相談することをおすすめします。いつから経営をスタートしたいのか逆算してから準備することが重要です。
閑散期の対策が必要となる
グランピングの経営には、閑散期の対策が必要となるデメリットもあります。グランピングは気温の低い冬や雨や雪などの天候が続く時期では需要が下がりますので、このような閑散期の稼働率を上げることが求められます。
例えば冬季に備えて暖房設備のついた宿泊施設を準備しておけば、気温が低くても快適に過ごすことができます。また雪遊びのイベントを提供するなど冬季でも楽しく過ごせる工夫を行えば、稼働率を上げられるでしょう。
グランピングは雨天の影響を受けやすいので、宿泊施設をテントタイプではなく、家のような形のコテージを建設すれば、雨でも気にすることなくグランピングを楽しめるでしょう。
グランピング経営の手順
次にグランピング経営を始めるための手順について解説します。グランピング経営の開業は、以下の4つの手順で行いましょう。
- グランピングに適した土地を探す
- ターゲットやコンセプトを決める
- 事業計画を策定する
- 建設工事や備品購入を行う
それぞれの手順について詳しく紹介していきます。
グランピングに適した土地を探す
グランピング経営では、まずグランピングに適した土地を探すところから始まります。宿主客にとって満足度が高い土地が必要なので、ユーザー視点で考えることが重要です。
またグランピングには、キャンプより手軽な条件が必要です。そのため都心部や駅から車で2時間以内の場所に建設すれば、アクセスの良さを売りにできるでしょう。2時間以上かかる場合は、サービスをより充実させることをおすすめします。
土地選びでは、景観の良さも重要なポイントです。グランピングには非日常的な時間を求めるケースが多いため、朝日や夕日がきれいだったり海が近かったりする土地が理想的です。さらに近くに民家になく、生活音が聞こえないなどの配慮も必要です。
しかし、経営初心者の方は土地を選ぶときのポイントが分かりにくいケースが多いです。そのため土地の選定に迷ったときはいくつかのグランピング施設に見学に行き、作りたい施設のイメージを立てるとよいでしょう。
ターゲットやコンセプトを決める
土地が見つかった後は、どのような層をターゲットにして経営するのか決めましょう。ターゲットを明確化していないと競合施設との差別化がうまく図れない恐れがあります。
グランピング利用者はキャンパーと違って、手軽にアウトドア体験をしたいと考えている方が多いです。そのため設備をかなり整えておけば、集客しやすくなるでしょう。
特にグランピングは、20代の女性からの人気が高いです。そのため若い女性をターゲットにして、SNS映えを狙った景色やイベントを提供する方法もおすすめです。
事業計画を策定する
次に、事業計画を策定しましょう。自治体から施設建設の許可や銀行からの融資を得るためには、事業計画は細かく策定することが重要です。
事業計画には、まず開業する場所や施設の規模を記載しましょう。提供するサービスによっては、内容や食事のメニューなども記載することをおすすめします。
経営する場合には、初期費用やランニングコストを踏まえてどのくらいの売上が予想されるかも必要です。事業計画は経営するうえでの目標にもなりますので、細かい点まで決めておきましょう。
グランピングの経営では補助金が受け取れる可能性があるので、開業前に条件を確認しておくとよいでしょう。不明な点があるときは、自治体などに相談すれば必要な手続きを教えてくれます。
建設工事や備品購入を行う
グランピングの基盤が整ったら、建設工事や備品購入を行って本格的に経営していきます。建設業者に工事の依頼をしたタイミングで備品購入も行い、テントや食器、リネン系などをそろえておきましょう。
温浴施設の設置を考えている場合には発注から設置までかなり時間がかかるので、余裕を持って発注しておくことが重要です。またシーズンごとに需要が高まるような設備もそろえておきましょう。
準備が始まるタイミングで自社HPを作成して広報しておけば、開業と同時に集客が見込めます。準備の際には備品購入だけでなく、従業員の採用や施設の管理体制を整えておきましょう。
グランピング経営に必要なコストはいくら?

グランピングの経営で主な必要なコストには、以下の2つが挙げられます。
- 初期費用
- ランニングコスト
それぞれのコストの概要や目安について詳しく紹介します。
初期費用
グランピング経営の初期費用は、2,000~5,000万円が目安となります。主に土地の購入と設備投資に費用がかかりますので、高額になります。
土地購入にかかる費用は、広さや条件によって相場が変動します。目安としては郊外ならば坪単価は数十万円程度であり、地方ならより安価で購入できるでしょう。
設備については、ドームテントの平均価格は1棟につき200万円前後です。しかし、冷暖房などの設備がないものならば数十万円から購入できる製品もあります。
経営を始める際は、初期投資でお金をかけすぎないことがポイントです。初期投資をしすぎると投資額を回収するまで時間がかかってしまいますので、初期投資は予測年商の2倍までに抑えてられれば理想的です。
ランニングコスト
グランピング経営にかかるランニングコストの目安は、月額で数百万~数千万円です。主に人件費や光熱費が大きな割合を占めています。
人件費の目安は、年間売上の30~40%です。人件費は、抑える部分を考えなければサービスに支障が生じかねませんので、受付やフロントの無人化など工夫できる点を考えましょう。
光熱費も高額になるケースが多く、月額で数十万~数百万円かかります。光熱費を抑えるためには、シャワールームを共用にしたり従業員スペースは節電したりするなどの対策が必要です。
グランピング経営で失敗しないためのポイント
グランピング経営で失敗しないためのポイントは、以下の4つです。
- 初期費用をかけすぎない
- 自社HPや宿泊予約システムを用意する
- 情報発信を行う
- オフシーズンの対策を行う
それぞれのポイントについて確認していきましょう。
初期費用をかけすぎない
グランピングを経営する場合には、初期費用をかけすぎないように気をつけましょう。初期費用がかかりすぎると、回収に時間がかかってしまいます。
そのため初期費用を抑えるには、家具やテントなどの設備を中古品でそろえる方法があります。また場合によっては、施設をDIYで作るなど工夫すれば費用が抑えられるうえに独自性を出すこともできます。
さらに施設を立てる地域と密接な関係を築いておけば、地元の金融機関が資金を融資してくれたり物資を調達しやすくなったりできるケースがあります。地域と連携しておけば、開業後も効果的な宣伝や集客につながるでしょう。
自社HPや宿泊予約システムを用意する
グランピング経営では、自社HPや宿泊予約システムの用意も重要なポイントです。宿泊施設では自社HPから直接予約する方が多いため、自社HPを作成しておけば予約の増加に直結します。
自社HPは、施設の魅力が伝わりやすくかつ予約の方法が分かりやすいフォーマットで作成しましょう。サイトを作った後は情報更新を定期的に行ったり、イベントなどを広報したりしましょう。
また外国人観光客にも対応できるように、自社HPを多言語対応にしておくことをおすすめします。特に英語や中華圏の言語を用意しておけばよいでしょう。
自社HPはなるべく検索結果の上位に表示されるように、キーワード選定をするなどのSEO対策が必要です。サイト運用は専門知識が必要となるので、サイト運用の専門家に相談することをおすすめします。
情報発信を行う
グランピングの経営では、積極的な情報発信が欠かせません。自社HPで概要や楽しみ方などを丁寧に伝えれば、グランピングをあまり知らない方でも興味を持ってくれるでしょう。
具体的には、SNS広告を活用する方法が効果的です。InstagramやYouTubeなど若年層にユーザーが多いSNSで広報すれば、認知度が高まります。
SNSを活用する際には高画質な写真や動画を使えば、施設の魅力を視覚的に訴えられます。また施設のアカウントをフォローすれば割引するなどのキャンペーンを行う方法もおすすめです。
情報発信は従業員からだけではなく、利用者にも協力してもらえるとより効果的です。そのため、利用者に口コミ投稿をお願いするとよいでしょう。口コミが増えれば検索結果の上位に表示される場合もありますので、非常に有効です。
オフシーズンの対策を行う
グランピングを経営では、オフシーズンの対策も重要です。安定した収益を得るためには、1年を通して収益化できる仕組みが必要です。
グランピングにおけるオフシーズンは冬ですので、寒い時期に合わせてこたつやストーブ、温かい食事などを提供するといった防寒対策がおすすめです。またクリスマスが近い時期なので、イルミネーションなどの特別イベントを実施したり雪遊びのイベントを開催したりするといった工夫もよいでしょう。寒くて宿泊しづらい方のために日帰りプランを提供すれば、冬季でも集客を伸ばすことが期待できます。
事前準備をしっかり行い、グランピング経営を成功に導こう!
本記事ではグランピングを経営するためのメリットやデメリットだけでなく、必要な費用や経営のポイントについて解説しました。近年のアウトドアブームから、グランピングには一定の需要があります。
グランピング事業には初期費用を抑えやすいメリットがあり、経営に挑戦してみる価値は十分あります。本記事で紹介したポイントを意識して、グランピング経営について検討してみてはいかがでしょうか。
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