ホテル独自のアンケートは必要?実施メリットや回答率を上げるポイントを解説

ホテル独自のアンケートは必要?
実施メリットや回答率を上げるポイントを解説

ホテルの宿泊アンケートは、お客様の声を集める貴重な手段です。宿泊してくれたゲストが自社ホテルのどこを評価したのか、反対にどんな不満点を持ったのかといったことを知ることができます。
ホテルの顧客満足度を高めるためにも、ホテル独自の宿泊アンケートは欠かせません。しかし、実施方法によってアンケート回収率が低いなど、思ったように運営できないことがあります。

この記事では、ホテルの独自アンケートを実施するメリット、アンケート回収率を上げるポイントを解説します。

ホテル独自の顧客満足度調査アンケートとは

ホテル独自の顧客満足度調査アンケートとは、宿泊したゲストの満足度や不満点、意見などを収集するためのアンケート調査のことです。宿泊施設においては「宿泊アンケート」と呼ばれることもあります。ホテルに実際に宿泊したお客様の声をもとに、自社ホテルの改善点や課題、ニーズ、新たに必要なサービスを発見する目的で実施されることが多いです。

顧客満足度や不満点などを調査するには、ネット上の口コミを調べたりSNSのエゴサーチを行ったりすることも方法として挙げられます。ホテルを利用したお客様の声を聞くという意味では同じ目的を果たしますが、顧客満足度調査アンケートとは似て異なるものです。

これらとホテルの顧客満足度調査アンケートとの大きな違いは、収集方法にあります。口コミやSNSの書き込みは、ゲスト側が主体となって記載したものをホテル側が収集するものです。一方、アンケートはホテル側が主体となり、紙媒体やはがき、Webなどの手段でゲストから直接収集するものです。よって、アンケートの方が内容に確実性があり、経営戦略につなげやすいといえます。

ホテル独自のアンケートの重要性

ホテル独自のアンケートは、ゲスト側から見たホテルのマイナス点・プラス点の双方を知るために非常に重要です。

マイナス点は不満点や要望などで、経営課題やサービス改善などにつながるものです。例えば「料理の味が薄かった」「アメニティの種類が少なかった」などの意見が該当します。 プラス点は主に満足点を表すもので、ホテルの強みやPR部分につながるものです。例えば「ルームサービスが充実している」「スタッフの笑顔が良かった」などの意見が該当します。

ホテル独自のアンケートを通してこれらの意見を収集することは、経営課題をクリアし、自社ホテルにしかない強みをPRしていくために必要です。結果として、リピーターの獲得につながり、ホテルの売上向上に役立てることができます。

ホテル独自のアンケートを実施するメリット

ホテル独自のアンケートを実施するメリット

ホテル独自の顧客満足度調査アンケートを実施することには、ネット上の口コミやSNSを調査するだけでは得られないメリットがあります。ここでは、ホテル独自のアンケートを実施する3つのメリットを紹介します。

顧客満足度を数値化できる

ホテル独自のアンケートを実施するメリットとして、顧客満足度を数値化できることが挙げられます。

宿泊施設で一般的に実施されるアンケートは、接客や設備などの項目に対して「非常に不満・不満・普通・満足・非常に満足」の5段階評価で回答が行われます。これにより、項目ごとの平均評価を知ることができ、自社ホテルで評価を高く集めている項目、評価が低い項目を客観的に確認することが可能です。

顧客満足度を数値化することで、改善点や課題点の優先順位をつけられるのもメリットといえるでしょう。

宿泊客の本音を確認できる

料理にカビが生えていた、スタッフが暴言を吐いたなどクレームにつながるような問題が起きない限り、多くのゲストはわざわざホテルに不満を伝えることはしません。
しかし、アンケートであれば、宿泊中に感じたちょっとした不満点を気兼ねなく伝えることができます。ホテル独自のアンケートを実施することは、宿泊客の本音を確認するために大変有効です。

満足点についても同様で、スタッフに直接伝えることはしなくとも、アンケートを通じて知らせてくれるゲストは多いです。ホテル側では把握していなかったプラス点を引き出せるのも、アンケートを実施するメリットです。

ネガティブな口コミ拡散の抑制につながる

スマートフォンやSNSが普及している昨今、ネット上の口コミはホテルのイメージに大きな影響を与えます。ネガティブな口コミや低評価が多ければ多いほど、予約者に悪いイメージを与えてしまうため、予約数の減少につながる恐れがあるのです。
特に、予約サイトや旅行情報サイトの口コミは信ぴょう性が高いため、ホテルの経営に直結するといっても過言ではありません。

自社ホテルで独自のアンケートを実施することは、ゲストにホテルへの不満を発散してもらう場を設けることでもあります。アンケートを通じて、ホテルへの不満を直接ぶつけてもらうことで、ネガティブな口コミが拡散するのを抑制できます。

ホテル独自のアンケート実施のポイント

ホテル独自のアンケート実施のポイント

どのようなアンケートを実施するかによって、得られる情報が大きく異なります。意義のあるアンケートにするため、以下4つのポイントを踏まえて実施するようにしましょう。

アンケートの目的を明確にする

なんとなくアンケートを実施するだけでは、有益な情報が得ることが難しいです。アンケートを意義のあるものにするには、第一に目的を明確にすることが大切です。一般的に、ホテルでアンケートを実施する目的には次の5つが挙げられます。

  • 顧客満足度の向上
  • サービスの改善やニーズの調査
  • ホテルの問題点の可視化
  • リピーターの獲得
  • 導入したサービスや施設の評価を把握

アンケートの目的によって収集すべき情報が異なるため、質問内容を決める前に「何のために必要なアンケートなのか」を考える必要があります。 また、アンケートを依頼する際は、前書きにメッセージや目的を記載するようにしましょう。これにより、ゲストに当事者意識を持ってアンケートに回答してもらえます。

具体的な質問内容にする

目的を達成するために必要な情報を入手するには、質問内容が具体的でなければなりません。例えば、「ホテルの満足度はいかがですか?」といった質問では、総合的な満足度を知ることはできても、具体的にどのサービスが良かったか、悪かったかという声を聞くことができません。

ですから、もし特定の施設の評価を知りたいのであれば「○○(施設の名称)の満足度はいかがですか?」というような聞き方が望ましいです。 このとき注意したいのが、質問の投げかけ方です。率直なお客様の声を聞きたいのであれば、あくまでも中立な立場で質問してください。「自社ホテルで人気のある~ですが」というような前置きをすると、回答する側が遠慮してしまい、本音を引き出せなくなります。

選択肢に「その他」と詳細記入欄を設ける

選択形式で質問する場合、ゲストはホテル側が用意した回答から選択することになります。もし、ゲストが回答の選択肢に含まれていない内容を伝えたい場合でも、選択肢がないために断念してしまう可能性があります。

あらゆる視点でお客様の声を収集するためにも、選択肢に「その他」と詳細記入欄を設けるようにしてください。選択肢を広めることで、ホテル側が想定していない課題が見つかるかもしれません。

また、「その他」の項目を設けることで、評価が曖昧でも回答しやすく、その理由についても引き出すことができます。

数値評価だけではなくコメント欄も設ける

5段階評価や「はい」「いいえ」などの選択形式での質問は、回答が容易な点がメリットです。その反面、デメリットとして、ゲストが伝えたいことを伝えきれない可能性がある点が挙げられます。

これを避けるために、数値評価だけではなくコメント欄も設けるようにしましょう。評価の理由について具体的に回答してもらえれば、施策の策定や課題の洗い出しに取り組みやすくなります。

アンケートの回答率を上げるコツ

アンケートの回答率を上げるコツ

ホテル独自のアンケートを実施しているものの、アンケートの回答率が上がらずに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。的確な質問内容であっても、回答が集まらなければ本末転倒です。
ここでは、アンケートの回答率を上げる5つのコツを紹介します。

アンケートの存在を宿泊客に知ってもらう

そもそも、宿泊しているホテルでアンケートを実施していることを知らければ、ゲストも回答しようがありません。ですので、まずはアンケートの存在をゲストに周知することから始めましょう。

アンケートの存在を知ってもらうのに最も効果的な方法は、スタッフの声かけです。チェックイン・チェックアウトの際にさりげなく依頼することで、回答率を上げることができます。

また、アンケート用紙を置く場所は、ホテルの出入口や客室のテーブルなど、ゲストが必ず利用する所が望ましいです。そのほか、ラウンジなども時間に余裕のあるゲストが滞在していることが多いため、回答を得やすくなります。このとき、アンケートをゲストの動線や目線に入る場所に設置することも重要です。

紙だけではなくWebアンケートも実施する

従来、ホテルの宿泊アンケートは紙媒体で回答するのが一般的でした。しかし、紙媒体での回答は、ゲストに面倒な印象を与えることがあります。そこで、紙だけではなくWebアンケートも実施するようにしましょう。

最近では、QRコードを読み取り、スマートフォンから回答するタイプのアンケートが人気です。紙を持ち歩く必要がなく空き時間にどこでも回答できるため、ゲストの心理的な負担も軽減されます。

※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

回答しやすいボリュームや形式にする

あまりにも質問数が多かったり質問文が長かったりすると、ゲストがアンケートに回答する心理的ハードルが上がってしまいます。そのため、ゲストが気軽に回答しやすいボリュームや形式にすることが大切です。

基本の回答形式を数値評価にし、必要に応じて「その他」やコメント欄を設けるようにしましょう。

回答者への謝礼を用意する

アンケートで得られるメリットがあれば、回答への意欲を高めることができます。そのメリットの一つに、回答者への謝礼が挙げられます。例えば、デジタルギフトやお菓子、アメニティなどです。
次回の宿泊時に利用できる割引クーポンなどを発行すれば、リピート率を上げることにもつながります。

回答された意見が反映されていることを伝える

ゲスト側からしてみると、せっかくアンケートに回答しても、意見が反映されなければ答えた意味がありません。そこで、回答された意見がホテルに反映されていることを伝える工夫が必要です。

例えば、ゲストの目に入りやすい場所にPOPを設置し、アンケートの回答が反映された事例を掲載する方法があります。

効果的なアンケート実施でリピーター獲得やサービス改善に役立てよう

ホテル独自の顧客満足度調査アンケートを実施することは、リピーター獲得やサービス改善に大きなメリットをもたらします。アンケート実施の目的達成に必要な情報を得るには、アンケート回収率を上げ、一人でも多くのお客様の声を収集することが大切です。

ゲストの目線に立ったアンケートを実施し、ホテルの経営に役立てましょう。

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