ホテル・旅館の電気代を見直し!コスト削減につながる省エネ・節電の方法を解説

ホテル・旅館の電気代を見直し!
コスト削減につながる省エネ・節電の方法を解説

ホテルや旅館を経営する場合には、光熱費の軽減が重要と感じている方が多いです。特に電気代は値上げによる影響を受けやすいので、できる限りの対策が求められます。

そこで本記事では、ホテルや旅館の電気代を抑える方法について詳しく紹介します。電気代を抑えることで期待できる効果も解説しますので、ホテルを経営している方や宿泊施設の経営に関心がある方は、ぜひ参考にしてください。

ホテル・旅館の電気代使用量の傾向

ホテル・旅館の電気代使用量の傾向

ホテルや旅館における主な電気の用途には、以下の4つが挙げられます。

  • 照明やコンセント
  • 空調設備
  • 冷熱
  • 温熱

ホテルでは24時間明るく快適な環境を整えるため、多大な電力を消費しています。年間を通して電力消費量を見ると、7月~9月が電気使用量のピークとなり、2月が最も電気使用量が低くなる傾向です。

また電力消費量を館内の部門別に見てみると、客室を中心とした宿泊部門が一番高くなっています。さらに宿泊施設のタイプによって消費電力量が異なっており、温泉宿では大浴場の給湯や共用スペースの照明で大きく電力を消費する傾向にあります。

ホテル・旅館の電気代の目安や平均は?

ホテルや旅館の月間の電気代は、売上全体の5~8%が目安です。全ての経費の中でも、電気代は人件費に次いで割合が高くなっています。具体的な内訳として、空調設備や冷暖房、給湯設備が電気代全体の約7割を占めています。

しかし、電気代は人件費よりも比較的減らしやすいので、方法次第で経費削減に取り組めるでしょう。

ホテル・旅館で省エネ対策・節電が必要な理由

ホテルや旅館の経営で省エネ対策や節電が必要となる理由には、電気代の高騰が挙げられます。近年電気代が高くなっていますが、その背景には記録的な円安やウクライナ侵攻による物価高、燃料費の急激な高騰が挙げられます。

これからも電気代が高くなる可能性がありますので、電力を大きく消費するホテルや旅館の経営者は電気代を意識する必要が高いといえるでしょう。

ホテル・旅館の電気代を削減する方法

ホテル・旅館の電気代を削減する方法

ホテルや旅館の電気代を削減する方法については、以下の3つが挙げられます。

  • 空調設備の見直し
  • 照明機器の見直し
  • 契約電力会社の見直し

それぞれの方法について詳しく確認していきましょう。

空調設備の見直し

ホテルや旅館の電気代を削減するには、空調設備の見直しが有効です。まずは設定温度の見直しが、電気代の削減につながります。基本的に夏は28度、冬は20度になるよう設定して、時間帯に応じて温度を変えましょう。

また従業員スペースはその時期に働いている従業員の数によって設定温度を変えるなどこまめに調整すれば、効率的に節電できます。さらに空気を循環させるサーキュレーターを活用すれば冷暖房の効果が高まりますので、快適な室内温度にするための電力が軽減できます。

空調設備のフィルターを清掃する方法も効果的です。フィルターにほこりが溜まると設備に負担をかけて余分な電力を消費してしまいますので、宿泊施設では定期的に清掃しておくことをおすすめします。

照明機器の見直し

ホテルや旅館では照明をよく使いますので、照明機器の見直しも電気代の削減につながります。たとえば、トイレにおける照明の使い方がポイントです。トイレには常に人がいるわけではないため、人感センサー付き照明を利用すれば消費電力を必要最低限に抑えることができます。

またホテル内の照明をLED照明に切り替える方法も効果的です。LED照明は蛍光灯や白熱灯よりも消費電力が少なく、より明るくできるため電気代を削減できるでしょう。

さらにチェックアウト後の客室清掃では、照明を使わないようにしましょう。基本的に昼間に行われるため、カーテンを開ければ十分な明るさを保てます。

照明機器も清掃を行えば明るさを保持できますので、定期的に清掃を行いましょう。

契約電力会社の見直し

電気代を削減するには、契約している電力会社の見直しも検討してみましょう。2004年から電力自由化がスタートしたことから、多くの電力会社が新規参入しました。そのため、電力会社を見直すだけで安価に電力を使用できる可能性があります。

電力会社の見直しをサポートしてくれる専門業者もあるので、検討する場合には相談してみてもよいでしょう。

設備更新や施設改装のタイミングで省エネ対策を見直そう

設備更新や施設改装のタイミングで省エネ対策を見直そう

設備更新や施設改装のタイミングで省エネ対策を行えば、比較的簡単に電気代を抑えることができます。設備更新でコストはかかりますが、消費電力の大幅な削減が期待できるでしょう。

設備更新の具体的な施策には、以下の5つが挙げられます。

  • 空調設備の交換
  • 屋根の日射防止
  • 建物に断熱材のリフォームを施す
  • 太陽光発電の導入
  • 空調機を省エネタイプの製品に取り換える

空調設備は部屋にいる人数によって電力制御ができる装置がついているものなどに切り替えれば、電気代が節約できます。特に最新の空調設備では節電機能がついているため、より効果的です。

また屋根に日射を防止するための対策を行う方法もおすすめです。建物の改装時に屋根に降り注ぐ太陽光を防げば、室内温度上昇を弱められます。屋根の塗装工事を専門に扱っている業者もありますので、日差しの強い地域や気温の高い地域は専門業者に日射対策を相談してみましょう。

さらに建物に断熱材リフォームを施せば、冷暖房の効率を高めて電気代の節約につながります。建物が古い場合でも、天井や壁など部分的に断熱材を入れるリフォームも可能です。

太陽光発電は、ホテルや旅館でも導入事例が増えています。ホテルの敷地などを活用して太陽光パネルを設置できる場合には、一度検討してみてもよいでしょう。

大規模な工事や建て替えのタイミングで、外気を処理する空調機を新しい機器に入れ替えれば5%程度の省エネになるケースがあります。省エネタイプの空調機は、一般的な設備より性能が高いので、節電につながりやすいです。

スタッフの理解やお客様への案内も行って、効率的なホテル経営を!

本記事では、ホテルや旅館の経営で電気代を削減する方法について解説しました。より良いサービスを提供して、お客様にとって快適な環境を維持しながら光熱費などのコストを抑えることは簡単でなく、ご紹介したような地道な取り組みが必要です。またスタッフに意識してもらうように伝えておき、空調や照明などで節電する場合にはお客様に理解していただくように案内しておくことが重要です。

もしホテルや旅館の管理で悩んでいる場合には、システムを導入するのもよいでしょう。株式会社ダイナテックでは、ホテル管理システム「Dynalution」や宿泊予約システム「Direct In S4」を提供しており、ホテルや旅館の経営に役立つ情報も発信しています。宿泊サービスに関するアドバイスも行っていますので、お困りの際はぜひ一度ご連絡ください。

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