導入検討の比較ポイントがわかる!
サイトコントローラの選び方と比較表
施設規模や対応する予約サイトなど、サイトコントローラーを選ぶときに確認すべきポイントや注意点を徹底解説!
サイトコントローラーとは、さまざまなOTAの予約情報をまとめて管理するシステムです。在庫管理や価格設定などの煩雑な管理業務を、サイトコントローラーを利用することで効率化できます。
この記事では、サイトコントローラーの導入メリットや、おすすめのサイトコントローラーを紹介します。
各システムの比較ポイント、ホテル管理に使われるPMSとの違いも解説しますので、サイトコントローラーの導入をお考えなら、自社に合うものを選ぶ際の参考にしてください。
サイトコントローラーとは、自社予約システムや複数のOTA(オンライン・トラベル・エージェント)などを一元管理するシステムです。
複数のOTAに掲載し露出を増やすことは、稼働率を増やすための基本的な施策ですが、掲載OTAが増えると管理業務は複雑になります。それぞれの予約状況が更新されるたびに、手作業で他OTAを連動させるのは現実的ではありません。この課題を解決するのが、サイトコントローラーです。管理しているOTAの在庫数や料金を最新情報に自動で更新し、料金ランクの設定や予約状況を管理できます。
さらに、それらのデータを蓄積して一覧で可視化できるものもあります。
●サイトコントローラーとPMSの概要
サイトコントローラー | 自社予約システムや複数のOTAを一元管理するシステム |
PMS | 宿泊業務全般を一元管理するシステム |
サイトコントローラーの主な機能を紹介します。
在庫・料金管理 | 自社予約システムやOTAに登録しているさまざまな情報を一括で管理可能。 |
予約管理 | 予約者の宿泊日や宿泊プランなど、予約状況を一覧で確認可能。 |
料金ランク設定 | 季節や祝日、曜日、繁忙期など、状況によって料金を変動させたい場合、異なる料金ランクを設定可能。 |
データの蓄積 | 部屋別や宿泊プラン別の稼働率や販売の実績など、蓄えたデータのグラフ化や、データをCSVでダウンロード可能。 |
続いて、サイトコントローラーを導入すると得られる4つのメリットを説明します。
オーバーブッキングの回避は、サイトコントローラーがもたらすメリットの中でも特に効果を実感できるポイントです。
複数のOTAに登録している場合、各OTAからの予約をそれぞれ管理することは非効率です。さらに、在庫状況の更新にタイムラグが発生し、その間に同じ部屋に予約が重なって入ってしまった場合、ダブルブッキングが起こります。
サイトコントローラーを使えば、予約が入るとのOTAの在庫状況を即時に更新して販売を停止でき、オーバーブッキングにつながるトラブルを未然に防止可能です。
人手をかけずに販路を増やすことができるのも、サイトコントローラーの大きなメリットです。
販路拡大のためには、さまざまなOTAに登録して、宿泊施設情報の露出数を増やすことが近道ですが、複数OTAの在庫や料金をそれぞれ管理するのはかなりの労力がかかります。複数のOTAをまとめて管理できるサイトコントローラーを使用すれば、シンプルな操作で管理可能です。
また、管理担当者を増やす必要がないため、安心して販路を広げられます。
サイトコントローラーの導入により販売や予約管理業務を効率化できるため、管理コストを削減することもできます。
宿泊スタッフは、販売や予約管理だけではなくゲスト管理や客室管理など多岐に渡る業務を抱えています。サイトコントローラーでOTAを一括管理すれば、これまで複数のOTAをそれぞれ操作していた時間を短縮でき、ほかの業務に時間を充てられるようになります。
限られた人数で効率の良いオペレーションを実現できる上、しっかりと業務に向き合えるため、ゲスト満足度の向上にも期待できます。
サイトコントローラーで稼働を確認しつつ料金ランク設定機能を活用すれば、収益の最大化を図ることができます。
需要の高い時期やオフシーズンに最適な料金を設定したり、空室状況によって料金を調整したりといった高稼働率を保つ施策も、サイトコントローラーなら一括操作可能です。
また、データ化した販売実績をマーティング資料として活用すれば、今後の戦略を立てるのに役立ちます。
サイトコントローラーには、各社それぞれの特徴があります。自社に適したものをどのように選べば良いのか、3つのポイントに分けて説明します。
施設の規模に適したタイプのサイトコントローラーを選ぶことは、コスト面において非常に重要です。
サイトコントローラーには、20室以下程度の小規模施設向けもあれば、数百室以上で利用するとメリットを発揮するものなど、それぞれ特徴があります。
また、多機能になるほどランニングコストは高くなる傾向があります。
そのため、最低限のシンプルな機能さえあれば十分なのか、それともオプション機能なども活用して業務の効率化を図りたいのか、サイトコントローラーを使って実現したいことは何かを整理しておくことが大切です。サイトコントローラーを選ぶ際は、自社施設の客室数や利用したい機能を確認しましょう。
利用したいサイトコントローラーが、現在登録しているOTAと連携しているのかを必ず事前に確認しましょう。連携対象OTAは、サイトコントローラー各社の公式サイトで確認できます。じゃらんnetや楽天トラベルなど、大手国内OTAであれば対応しているものがほとんどです。
大規模施設向けタイプであれば、旅行会社にも対応しているものもあり、販路が多種に渡る場合におすすめです。中には、海外OTAに強いタイプや民泊や小規模施設向けに設計されたものもあるため、自社施設に合ったサイトコントローラーかを必ず確認しておきましょう。
また、今後の計画を併せて検討することも重要です。連携対応OTAを増やすと、今後の販路拡大戦略に大きな影響を及ぼします。
また、連携予定のPMSとの対応についても同様にチェックしましょう。
新たにシステムを導入する際に欠かせないのがサポート体制の確認です。操作が分からないときなどに即質問できる体制が整っていると、新しいシステムでも安心して使用できます。遠隔操作での対応や、画面共有をして一緒に操作を行えるサービスは、限られた人員で慣れないシステムを扱う場合に非常に役立ちます。
各社それぞれのサポートサービスを用意しているので、事前に把握しておくと良いでしょう。
ここからは、多くのホテルや旅館で採用されているおすすめのサイトコントローラー8選を紹介します。費用や特徴を比較し、ぜひ検討の参考にしてください。
約5,900件の導入実績を持つ大規模施設向けサイトコントローラー。 ネット経由の予約と旅行会社を一元管理し、残室や料金を一括でコントロールできるのが大きな特徴です。
共通在庫サービスにより予約の確定と在庫の更新が同時に行われるため、複数の販売先があっても、オーバーブッキングの心配がありません。さらに、PMS連携にも強く、2WAY連携に対応しているPMSでは、残室調整や料金調整をPMSから直接行うことができます。
特徴 |
|
サポート体制 | 対応時間や内容に制限がなく、1件1件に寄り添って対応する基本方針。オンラインセミナーやFAQも用意されている。 |
料金 | 初期費用 100,000円/月額 30,000円より(月額利用料は総客室数によって異なる) |
OTA連携数が国内最多で、販路を拡大しやすいのが特徴です。Booking.comに推奨されているほか、Airbnbとも連携するなどインバウント需要に強みがあります。分かりやすさもメリットの一つで、「在庫」「料金」「予約」を一つの画面に集めているため状況を把握しやすい上、操作ステップが少なく初心者でも安心して利用可能です。
用意されている3つのサービスのうち、「手間いらず 自動」は、業務の自動化にこだわったサイトコントローラーです。在庫・予約管理の基本機能のほか、競合の価格動向を把握したり、直近365日の在庫数に合わせて、価格の自動調整や販売先を自動設定したりするなど、任せられる機能が豊富で、負担軽減と利益追求の両立を目指せます。
特徴 |
|
サポート体制 | 電話でのサポートは平日午前10時~午後9時に対応。メールでの問い合わせは24時間365日受け付け。 |
料金 | 初期費用・月額とも要問い合わせ |
9,000施設の稼働実績がある業界シェアトップのサイトコントローラーです。楽天トラベルのグループ企業が提供しています。
在庫管理や価格設定、予約管理、分析レポートのサイトコントローラーの基本的な機能が利用可能です。そのほかにも、サンクスメールの自動送信や、ノーショー対策など、あると便利なオプション機能を無料で使えます。システムの価格設定は人数と室料に応じて変動するので、インバウンドゲストの多い施設におすすめです。
さらに、宿泊プランの一括登録や、宿泊プランの自動延長設定など、忙しい担当者にうれしい機能が備わっています。
特徴 |
|
サポート体制 | 導入支援チームが設定まで無料サポート。導入後は電話サポートセンターが平日午前9時~午後6時まで対応。着信応答率は安心の99%。 |
料金 | 初期費用 55,000円/月額 5室以下5,500円、6室以上8,800円 |
民泊向けのオールインワンシステムで、国内外40,000施設で使用されています。複数施設を一元管理できるため、少ない人員による遠隔での管理が可能です。予約時に体験プランをオプションとして追加できる機能は、体験型プランをウリにしている施設に役立ちます。
また、周辺地域のイベントや競合施設などの要素からAIが自動で料金を設定する機能が備わっているため、担当者が随時リサーチする手間が省けるなど、小規模施設の運営を助けてくれます。導入時は1ヵ月間無料でトライアル利用ができ、使用感を試してから契約できるのもうれしいポイントです。
特徴 |
|
サポート体制 | 基本操作は電話で説明。設定依頼や問題解決はメールサポート。 |
料金 | トライアル1ヵ月無料/月額 22,020円より (小規模ホテル⦅部屋タイプ5、20室、使用OTA指定5サイトの場合の一例⦆ ※契約内容により異なる) |
JRシステムが展開するサービスで、鉄道の座席予約や販売システムなどで培った知識と経験を活かし、万全のセキュリティ対策で安定したサービスを提供しています。
国内外のOTA、旅行会社、予約エンジン、フロント会計システムにも多数対応し、さまざまな規模の施設への導入実績があります。
見やすさと操作性に優れている直感的なデザインであるほか、販売・残室状況を3週間分表示できたり、料金別に色設定できたりするなどの細やかな工夫が施されており、使う人を選ばない設計です。
特徴 |
|
サポート体制 | 365日午前9時~午後9時(土日祝日は午後6時まで)対応。画面共有サポートも可能。 |
料金 | 月額 9,800円から(契約内容により異なる) |
民泊向けのサイトコントローラーとPMSの一体型システム。自動化・効率化・省人化にこだわり、運用代行サービスも用意されています。
ゲスト用のセルフチェックインアプリや、自社予約システム、自動決済など施設の運営仕様に合わせてさまざまなオプションを組み合わせることができる、無駄を抑えたシステム契約が可能です。
特徴 |
|
サポート体制 | チャットボット、チケット、メールでの対応がメイン。初期セットアップやオンライン・出張トレーニングは、有料にて対応。 |
料金 | 月額 6,000円より(1室から3室) |
サイトコントローラー・PMS・自社予約システムが一体型のオールインワンシステム。多機能でありながら洗練されたUI/UXで、画面操作のしやすさに優れています。
一つの画面で在庫管理も予約管理も行えるので、手間が省けミスを減らせます。さらに費用面では初期費用がかからないという導入ハードルの低さと、コスパの良さが魅力です。
特徴 |
|
サポート体制 | データ登録・設置代行が無料。導入後はカスタマサポートにて対応。 |
料金 | 無料/月額 18,000円より(客室数・施設数により異なる) |
PMSとの一体型で、運営管理機能やチェックイン、予約ページ、会計システムやゲスト管理など宿泊管理に関わる機能を集約したクラウド型のオールインワンシステム。一つのシステム内で操作するため、シンプルで使いやすいのが特徴です。
ペーパーレスチェックインや、管理画面の入力で独自の予約ページを自動作成できる機能も備えていて、タブレットやスマホでも操作可能。DXによるフロント業務の効率化を実感できるサービスです。
特徴 |
|
料金 | 非公開/月額9,800円より(1~5室 ※客室数により異なる) |
今回は、宿泊施設の予約管理に欠かせないサイトコントローラーをテーマに、サイトコントローラーを導入するメリットやサイトコントローラーを選ぶ際のポイントのほか、おすすめのサイトコントローラーを紹介しました。
サイトコントローラーを導入すると、複数のOTAを一元管理することができ、安心してOTAへの登録を増やせるので、積極的に販路の拡大を図れます。また、人の手で行っていた業務を自動化できるためコスト削減にも有効です。
サイトコントローラーを選ぶ際は、料金が安いというだけではなく、自社の運営方針を踏まえ、戦略に必要な機能をあらかじめ整理しておくことが大切です。連携するPMSに対応しているかどうかや、使いやすさやコスパを加味しPMSとの一体型に切り替える方が良い場合もあります。
ぜひ、適切なサイトコントローラーを導入し、予約管理の効率化に役立ててください。
※掲載されている内容は公開日時点の情報となります。