ホテルで取り組むインバウンド対策や集客戦略のおすすめ11選|メリットや注意点も解説

ホテルで取り組むインバウンド対策や集客戦略のおすすめ11選|
メリットや注意点も解説

近年、ホテル業界の売上増加を図る上でインバウンド対策は欠かせません。
外国人観光客を上手く集客につなげることができれば、予約数を増やし効率よく売上増加や利益拡大につなげることが可能になるからです。
とはいえ、インバウンド対策を行う際にはあらかじめ押さえておくべきポイントや注意点などがあります。
そこで、今回は、ホテルで取り組むインバウンド対策や集客戦略などについて、メリットや注意点とともに、おすすめの手法11選を紹介します。

ホテルのインバウンド対策とは?

ホテルのインバウンド対策とは?

ホテルのインバウンド対策とは、海外から日本に旅行に来ている訪日外国人観光客に対して、自社のホテルをアピールすることで宿泊利用を促す施策のことです。
コロナ禍が収束して以来、観光目的で日本を訪れる外国人は増加傾向にあります。
さらに、円安の影響もあり訪日外国人観光客は、ホテル業界にとって重要な顧客にもなってきています。
とはいえ、闇雲に宿泊予約を募っても集客増加にはつながりません。
文化や言語、生活リズム・スタイルなどが異なる外国人に対しては、目的やニーズを理解した上で適切にアプローチすることが求められます。

ホテルでインバウンド対策を行うメリット

ホテルでインバウンド対策を行うメリット

ホテルでインバウンド対策を行うメリットとして、以下の4つが挙げられます。
それぞれについて、紹介します。

需要拡大による新規顧客を獲得できる

ホテルでインバウンド対策を行うメリットとして、需要拡大による新規顧客を獲得できることが挙げられます。
総務省統計局によると、2024年11月時点の日本人口は、1億2,379万人となっており、10年前に比べ340万人ほど減少しています。
少子高齢化が進む日本の人口は、今後も減少するものと見込まれています。
このような状況において、訪日外国人観光客は重要な見込み顧客ということができます。
多くの訪日外国人観光客を取り込むことができれば、ホテルの売上増加につながります。

国外の口コミも集められる

国外の口コミを集められることも、ホテルでインバウンド対策を行うメリットになります。
インバウンド対策を行う上で、SNSや口コミなどの活用は効果的です。
多くの訪日外国人観光客は、SNSを通して日本国内の観光先を調べることが多いです。
ホテルに関してもSNSや口コミをもとに情報収集しているため、良い口コミがあれば集客増加につながることが期待できます。
また、訪日外国人観光客は口コミを参考にするだけでなく、発信するケースもあります。
そのため、インバウンド対策を行うことで良い口コミが世界中に発信され、新たな訪日外国人観光客を呼び込むような相乗効果が期待できます。

高い宿泊単価を期待できる

高い宿泊単価を期待できるのも、ホテルでインバウンド対策を行うメリットのひとつです。
訪日外国人観光客が増加した背景には、円安の影響も少なくありません。
円安が進むことで、訪日外国人観光客による支出は高まる傾向にあり、爆買いなどというワードも注目されています。
ホテル業界においても円安による影響は大きく、従来よりも高い宿泊プランが人気になることもあります。
客単価が高くなれば、利益拡大にもつながります。
そのため、インバウンド対策として訪日外国人観光客を意識した宿泊プランなどを用意しておくと効果的です。

地域活性化につながる

ホテルでインバウンド対策を行うメリットとして、地域活性化につながることが挙げられます。
インバウンド需要は、ホテルだけでなく地域の観光全体にも影響を及ぼします。
従来、インバウンド需要は、人気の高い東京や京都、大阪などの主要な都市に集中していました。しかし、インバウンド対策を講じる地域が増加した現在では、さまざまな地域で訪日外国人観光客に向けたアプローチが行われています。
地方であっても訪日外国人観光客が増えれば、観光地近辺の飲食店や土産物屋、交通機関などの活性化につながります。
そのため、町ぐるみで売上増加や地域活性化を目的に、インバウンド対策を行うケースも少なくありません。

集客強化にもつながるホテルのインバウンド対策10選

集客強化にもつながるホテルのインバウンド対策10選

集客強化にもつながるホテルのインバウンド対策として、以下の10つを紹介します。
訪日外国人観光客へのアプローチを強化するためには、以下の対策を検討・実施していくと効果的です。

多言語対応ツールの導入

集客強化にもつながるホテルのインバウンド対策として、多言語対応ツールの導入が挙げられます。
インバウンド対策において、一番重要なのは多言語対応だからです。
訪日外国人観光客は、英語圏だけではありません。
中国や韓国からの観光客も多く、フランスやドイツ、スペインなどヨーロッパ圏からも多くの観光客が訪れています。
これらの外国人観光客に対応するには、多言語対応ツールを導入すると効果的です。
自動チェックイン機や設備案内などに対しても、専用のタブレットや端末を導入することで多言語に対応することができます。
多言語対応できるスタッフが常駐可能であれば関係ないですが、ツールやシステムを上手く活用することで、効率よくインバウンド対策を実施することができます。

パンフレットやチラシの多言語化

パンフレットやチラシの多言語化も、集客強化につながるホテルのインバウンド対策として有効です。
多くのホテルには、自社の強みや特徴、施設案内を明記したパンフレットやチラシを用意しています。
このようなチラシを観光地や観光案内所に置いておくと、観光客はチラシを見て興味を持つ可能性があります。
しかし、パンフレットやチラシが日本語版のみであると、訪日外国人観光客には内容が理解できず、集客増加につなげることができません。
言語別に用意するのが理想ですが、予算に限りがあるため、英語版だけでも用意しておくと効果的です。
また、ホテルのホームページも多言語対応にしておけば、外国人観光客の集客につながります。
ツールを導入することで、多言語対応も可能です。

キャッシュレス決済を導入する

キャッシュレス決済を導入するのも、集客強化にもつながるホテルのインバウンド対策として有効です。

日本と比べると、海外におけるキャッシュレス決済が浸透しており、訪日外国人観光客には、現金を所持していない人も少なくありません。
これに対し、古くからのホテルの中には、決済方法として現金しかないホテルもあります。
スムーズな会計処理を実現し、インバウンド対策による売上増加を図るためにも、キャッシュレス決済を導入しておくことは効果的です。

外国人スタッフを採用する

外国人スタッフを採用することも、集客強化にもつながるホテルのインバウンド対策として有効です。
外国語が話せるスタッフは、外国人観光客の対応が可能だからです。
多言語対応ツールを導入することも効果的ですが、その場でニュアンスも含めコミュニケーションを取ることができれば、より円滑な運営につなげることができます。
例えば、食事中に訪日外国人観光客からの要望を受けた場合、満足に対応できなければ機会損失になるばかりか、口コミなどの評判にまで影響を及ぼしかねません。
近年では出稼ぎに来る外国人をはじめ、インターンや勉強のために日本に来る外国人も多くいます。
そのため、外国人フタッフを積極的に採用することも効果的です。

オンライン予約システムを見直す

オンライン予約システムを見直すことも、集客強化にもつながるホテルのインバウンド対策として有効です。
ホームページやパンフレット、チラシなどと同様に、オンライン予約システムも多言語対応することが重要です。
訪日外国人観光客の多くは、あらかじめ観光地とホテルを決めた上で訪れる傾向にあります。
そのため、ホテルはオンライン予約システムから手続きを行います。
いくらホームページが多言語対応していたとしても、予約の段階で理解できなければ離脱してしまいます。
このような機会損失を防ぐためにも、多言語対応したオンライン予約システムを導入しておくと効果的です。
また、同時にFAQやチャットボットなども用意し、不明な点などを事前に解決できるようにしておくことも重要です。
不明点が解決できれば、予約につながりやすくなるだけでなく、電話による問い合わせも減少し、業務効率化につながります。

外国人向け宿泊プランを用意する

外国人向け宿泊プランを用意することも、集客強化にもつながるホテルのインバウンド対策として有効です。
円安の影響により、訪日外国人観光客は日本人よりも旅行に多くの金額を使う傾向があります。
そのため、ホテル側としてはこのチャンスを活かし、さまざまなプランを用意しておくと効果的です。
日本ならではの料理、おもてなしのサービスなど、特徴や強みを前面に出してアピールすることで、金額が高いプランであっても予約につながる可能性があります。
また、外国人観光客の多くは、ホテルは泊まる場所という認識が強く、ホテル内での食事という概念がないケースも少なくありません。
そのため、朝夕食付きなどプランに含まれているものをわかりやすく明記しておくことも重要です。
その上で、誕生日やアニバーサリー、外国人限定など趣向を凝らしたメニューを用意しておくと効果的です。

自社HPやSNSで情報発信する

自社HPやSNSで情報発信することも、集客強化にもつながるホテルのインバウンド対策として有効です。
「ホテルでインバウント対策を行うメリット」のところでも触れたように、インバウンド対策では、SNSや口コミによる拡散効果で多くのユーザーに訴求できる点が魅力の1つです。
この効果を高めるには、ホテル側からもホームページやSNSで積極的にアピールすることが重要です。
ホテル業界においては、多くの画像によって訴求できるInstagramがSNSの中でも有効です。
宿泊部屋や温泉、食事、部屋からの景色など、魅力を訴求できる要素がさまざまに存在します。
そのため、Instagramを活用し、他のホテルと差別化を図りながら自社の強みをアピールすると効果的です。
なお、SNSで投稿する際にも、外国語に対応しておくと訪日外国人観光客に向けて、効果的にアピールすることができます。

Wi-Fi環境を整える

Wi-Fi環境を整えることも、集客強化にもつながるホテルのインバウンド対策として有効です。
訪日外国人観光客の多くは、スマートフォン1つで情報収集しながら観光を楽しんでいます。
そのため、インターネット接続可能なWi-Fi環境があることを、宿泊ホテルの判断材料にする外国人観光客も少なくありません。
このような背景から、ホテル館内にインターネット回線を引いているのであれば、インバウンド対策としてWi-Fiスポットを整備しておくことも有効です。
整備後は、Wi-Fiの利用方法などもわかりやすく明記しておくことで、訪日外国人観光客の共感を促し、リピーターや良い口コミなどにもつながりやすくなります。

周辺の観光情報を提供する

周辺の観光情報を提供することも、集客強化にもつながるホテルのインバウンド対策として有効です。
ホームページやSNSなどを通して、自社のホテルの案内を行うとともに、周辺の観光情報を提供することも有効です。
日本人ならまだしも、訪日外国人観光客は周辺の情報を理解できていないケースが多くあるからです。
そこで、ホテルを中心とした近隣の観光情報を紹介しておけば、観光の計画が立てやすくなり、連泊の可能性も生まれやすくなります。
地域活性化につなげる上でも、周辺の観光地と連携しながら、インバウンド対策として展開していくと効果的です。

特殊食や文化的配慮に対応する

特殊食や文化的配慮に対応することも、集客強化にもつながるホテルのインバウンド対策として有効です。
訪日外国人観光客に向けた対応は、ただ単に魅力をアピールするだけでなく、特殊食や文化的配慮なども求められます。
特に、食事においてはアレルギーやヴィーガンなど多種多様なニーズが存在します。
そのため、あらかじめホームページや予約フォーム内に提供内容を明記しておくことも重要です。
食事に限らず客室の造りや入浴方法など、日本ならではの文化は多くあります。
これらをあらかじめ理解してもらい、安心して利用いただくためにも、必要な箇所にわかりやすく説明を明記しておくと効果的です。

ホテルスタッフの外国人接客研修を行う

ホテルスタッフの外国人接客研修を行うことも、集客強化にもつながるホテルのインバウンド対策として有効です。
インバウンド対策を行う際には、ホテル全体の協力が必要です。
仮に外国語対応できるスタッフがいたとしても、その担当がすべてに対応できるわけではありません。
そのため、スタッフ全員に訪日外国人観光客への対応について、研修を行っておくと効果的です。
サービス内容によっては文化や価値観の違いによって、トラブルに発展することもあります。
リピーター獲得や良い口コミの増加、それに伴う売上増加を図る上でも、ホテルスタッフ全員での意思統一が重要です。

 
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インバウンド集客のポイント

インバウンド集客のポイント

インバウンド集客のポイントとして、3つを紹介します。
闇雲にインバウンド対策を行っても、効果にはつながりません。
以下のポイントを押さえておくと効果的です。

ターゲットを設定する

インバウンド集客のポイントとして、ターゲットを設定することが挙げられます。
インバウンド対策の効果を高めるには、あらかじめターゲットを明確化しておくことが重要です。
訪日外国人観光客の国籍はさまざまであるため、一概に国籍を指定することは難しい傾向にあります。
とはいえ、時期やエリアによっては特定の国からの宿泊が多いなど、ターゲットが見えてくるケースも少なくありません。
このような実績や傾向を踏まえ、ターゲットを明確にしておくと効果的です。
中国人が多いのに英語の案内ばかりでは満足されず、一過性で終わってしまう可能性もあります。
また、旅行会社とのツアーなどで訪日している団体客、新婚旅行やアニバーサリーなど訪れる背景にも違いがあります。
これらを細分化し、ペルソナ分析なども活用しながら、具体的なターゲット像を構築しておくと効果的です。

ニーズに合ったコンテンツを用意する

ニーズに合ったコンテンツを用意することも、インバウンド集客のポイントです。
ターゲットが明確化できたら、そのターゲットに向けたコンテンツを用意します。
ターゲットによって、観光の目的やニーズは分かれます。
そのため、ターゲットのニーズに合ったコンテンツを用意しなければ、機会損失になってしまいます。
また、誕生日やアニバーサリー目的で訪れる外国人観光客が多ければ、限定プランやオプション料理などを用意しておけば、売上増加や利益拡大につながります。
国籍だけの把握ではなく、ペルソナ分析をもとにしたニーズや要望を深掘りして把握した上で、最適な提案を準備することが重要です。

情報発信と改善を行う

情報発信と改善を行うことも、インバウンド集客のポイントです。
ホームページやSNSは、ホテルのインバウンド対策において重要な施策の1つです。
訪日外国人観光客の多くが、何らかのSNSを通して情報収集を行い、日本へと観光に訪れています。
そのため、SNSを積極的に活用して情報発信を行っていくことは重要です。
写真や動画などを駆使して、魅力的に訴求することで、訪日外国人観光客の目に留まれば、多くの集客増加につなげることができます。
SNSを活用する際には、ターゲットユーザーの国籍に注意しておく必要があります。
特に中国では、FacebookやInstagram、X(旧Twitter)などをユーザーが利用できないため、WeiboのようなSNSを活用すると効果的です。

ホテルインバウンド戦略で外国人観光客を呼び込もう

ホテルインバウンド戦略で外国人観光客を呼び込もう

コロナ禍の収束をはじめ、円安などの影響もあり、日本に訪れる外国人観光客は増加傾向にあります。
ホテル業界にとって、訪日外国人観光客の増加は売上増加や利益拡大につなげるチャンスでもあります。
とはいえ、インバウンド対策は戦略的に行わなければ、機会損失になる可能性もあります。
今回紹介した内容を参考に、訪日外国人観光客のニーズを踏まえたインバウンド対策を講じて、売上増加や利益拡大につなげていきましょう。

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